ガレとジャポニスムを見にいってきました

サントリーミュージアム[天保山]:ガレとジャポニスム


会期が今週末で終わりなのですが、終わるまでにゼッタイゼッタイ見にいかねば。と思ってたこのガレとジャポニスムを見にいきました。

いやぁ〜。行って良かった。サントリー美術館はもとより、世界各地から貴重なコレクションが集められ、なんとも贅沢な展示内容でした。これは、一見の価値アリです。というか、見ないと損すると思いました。

第1章 コラージュされた日本美術

タイトルにもあるとおり、ジャポニスムを切り口とした展示内容で、その中でも大きく第1章から4章までに分けられていました。(ほぼ時代順と思います。)
第1章はコラージュされた日本美術(ジャポニスム全盛の時代)と題され、この章では日本のモチーフを取り入れたり、日本美術の模倣をした初期の作品が展示されていました。

鯉とか、松とか、鷹とか蝶とか。いかにも日本らしいモチーフの数々。
オリエンタル〜。エキゾチックジャパン〜。
この時点では表面的な日本らしさしかないのですが、「西洋から見た日本」みたいなものを感じることができました。

第2章 身を潜めた日本美術(西洋的な表現との融合、触れて愛でる感覚)

パっと見て、いかにも日本の影響受けてるな。て感じが無くなってきました〜。
でも、よくよく観察すると、日本の影響がうかがえる。そうです。
曰く、触れて愛でる文化。

第3章 浸透した日本のこころ(自然への視線、もののあはれ

大胆に自然を取り入れた作品がたくさん。
茄子型、昼顔シェイプの花器、すみれをかたどった小物入れなど・・・。

また、動物や植物のはかない美も描写してました。
一般的な西洋人なら、萎れた花に美は感じないでしょうが、彼は違ったようです。

もののあはれ・・・を彼は理解してたのでしょう。

第4章 ガレと蜻蛉

彼は蜻蛉モチーフを好んで使っていたようです。

同じ昆虫でも蝶だと、華々しいですが、蜻蛉はなんだかはかない・・・寂しい・・・切ないイメージがします。
はかない命にこそ美を見出すことを彼はしてたのだと思います。

今ふたたびの日本ブーム

今、世界各地で日本料理や日本茶などがもてはやされているようです。
確かに。日本には世界に誇るべき文化が沢山ありますよねぇ。
料理や美術、建築、作庭・・・日常に使うような工芸品など、日本人の美意識はありとあらゆるところに感じることができます。

でも、この日本ブームに限らず、逆に私たちにも言えることですが、他国の文化を知ろうとした時に、表面的な真似はできたとしても、その文化の背景にある国民性や精神っていうものを理解することはトッテモ難しいことだと思います。

そうとうヲタクでもない限りは、そこまで理解しようという気にもならないし、そこまで情熱が続きませんよね・・・。

そういう意味では、ガレという人は心底日本文化に惚れ込んだ、重度の日本ヲタだったのだろうと思います。


ガレとジャポニスムのページ
ガレとジャポニスム