ウサビッチの監督!富岡 聡さんのセミナーに参加しました


先週の金曜日、あのウサビッチの監督!富岡 聡さんのセミナーに参加してきました。
前からウサビッチが大好きで。。。
キャラ自体も個性があって好きなんですけど、設定も凝ってるし、脚本もおもしろいし、セリフがないのにストーリーが成り立つところもすごいなぁと思っていて。
こんなスゴイ動画を作る人ってどんな人?
どうやって作ってるの??
ってことに興味があってお話を聞いてきました。


セミナー自体はだいたい2時間くらいで、受注から制作までの流れを説明してくださいました。
CGどころか、アニメや動画についても何にも知らなかったので、どのお話もすごーく興味深かったです。
富岡さんは以前、学校で教えていたこともあったそうで、説明が分りやすく、お話も面白かった!
しかも、パワーポイントの資料を使っての説明だったんですけど、資料もすごく凝ったもので、プーチンやキレネンコのキャラを使って図説されてるのを見て「ムホォ!」(プーチン風)とコーフンしてしまいました。
セミナーに参加して特になるほど〜。と思ったことなんかを書いてみたいと思います。

プリプロダクション

実際の制作に入る前にプリプロダクションという工程があるそうです。


・イメージボード(絵作り、世界観)
・企画書(設定、あらすじ)
・脚本
・美術設定
・絵コンテ
・ビデオコンテ


の要素などから成っていて、映画の場合は脚本が要らなかったり等ケースバイケースみたいですが、とにかくまずはこのプリプロダクションをするらしいです。


しかもこのプリプロダクションが重要とのこと。プリプロダクションがしっかりできているとリテイクなどが発生しにくく、その後の生産性が高まるそうです。


確かにCGに限ったことじゃなく他の仕事でもそうなのかも。WEBの仕事でも、仕様がきっちり固まってないと、手戻りが発生したり、都度確認したりしないといけなくて、現場が混乱してしまいがちです。なるほどなぁ〜。と感じました。

ライティングの話

普段動画を見る中でライティングなんて気にしてみたことなかったので興味深かったです。CGに限らず、映画とかでも同じ手法でライティングするそうです。

まずオブジェクトにキーライトというメインとなるライトを当てます。キーライトだけだと影になってしまう部分があるので、別の方向からも光を当ててやる必要があるそうです。

で、次にオブジェクトの背後から強めにバックライトを当ててやります。現実の世界ではありえない照明ですが、こうすることによって輪郭を浮き上がらせることができるので、オブジェクトを認識しやすくなります。

で、これだけだと影になってる部分もあるので、更にフィルライトという周囲からの光をあててやります。現実の世界でも、机の下とか直接光が当たっていないところでもある程度明るいですよね?これは壁などに光が溜まって、そこから照らされているかららしいのですが、このフィルライトを当てることで、自然な感じの照明になるそうです。

最後に、リフレクションライトという照り返しのライトを当ててやります。床から照り返す照明です。赤い床を表現したかったらこのリフレクションライトを赤にする・・・など色々テクニックがあるらしいです。

ビデオコンテ

ビデオコンテの段階で決められた長さに落としこむ作業をするそうです。ウサビッチなら90秒。CMだったらもっと短い。
で、これがなかなか難しいらしいです。特にウサビッチの場合はセリフがないので、全て映像だけで状況の描写をしないといけない。順を追って描写していくと、どうしても長くなってしまう。だけど、見せ方を工夫することで短くまとめるのだそうです。ちょうど見せてもらっていた例でいくと7カット20秒のところを2カット7秒に短縮してました。すごいテクニック!


クリエイティブな仕事とはいえ、商業的に何かを作るとなると、どうしても制限が生まれてしまいます。コピーライターだと、コピーには文字数の制限があるだろうし、WEBで言うとファーストビューにあれもこれも入れないといけない。。。とか。相反する二つの事柄を同時に成立させなきゃいけない、みたいな。


そういった制限をクリアしつつも、作品のクオリティを担保できるところが「さすがプロのお仕事!」と感じました。

絵がかけるということ

セミナーの中で、実際にウサビッチの絵コンテを書いてる動画を見せてもらいました。キャラクターが生き生きと描かれていく様子は見ていてワクワクしました。びっくりしたのは、この段階で背景なども丁寧に書き込んでいること。CGでも、基本はこうやって手書きで作っていくんだなぁ〜。手作りの仕事って感じがして暖かい感じがしますね。


今、カナバングラフィックスでは人材募集をしているそうなんですが、絵の基本的素養のある人を求めてるらしいです。CGの会社だけど、手書きで絵がかける人がいいんだそうです。


絵がかけるということは、文章以外でも表現ができるということに他なりません。言葉にするとちょっと表現しにくいこととか、絵にすると分りやすい共通認識とか、言葉の通じない人同士でコミュニケーションを取るときなどとっても便利な表現方法だなぁと思います。仕事をする上でも絵が書けることによって仕事の幅が広がるということもあると思います。


なんで、つくづく絵が書けるっていいなぁ〜って思ってしまいます。この年になって絵を練習しても上達するかなぁ?するんだったら練習したいなぁと思います。


この富岡さんのセミナー、大阪は既に終わってしまったのですが、東京では今週の木曜日にあるそうですので、興味のある方はぜひぜひ。とってもオススメです。
http://gs.dhw.ac.jp/event/20101001/